持つ人の感性を追及して
ナース鞄工(ほうこう)株式会社
 ナース鞄工はランドセルとメンズ鞄の製造メーカーですが、ランドセルの生産が全体の7割を占めます。
 取引先は、問屋が6割、デパート2割、専門店2割ですが、最近は問屋の比率が下がり、専門店との取引が増えてきています。

 昭和23年の設立以来、ナース鞄工のランドセルつくりのコンセプトは「つくりが丈夫」であることです。
 革を薄くし、部材を軽くすることで軽量化は図れますが、革を薄くするとその分強度は落ちてしまいます。ナース鞄工は革の強度には妥協しません。
 いつの時代も子供たちはワンパクです。6年間ワンパクな子供たちに愛着を持ってランドセルを使ってもらうには、強度が必要です。

 ランドセルつくりのコンセプトはそのままメンズ鞄にも受け継がれていますが、質実剛健なつくりである分、トレンドをつかむのが遅いという弱点もありました。
 しかし昨年10月に新しいデザイナーさんが入社し、商品開発にも新たな動きが出てきました。街に出てトレンドを直接感じることで、革以外の新たな素材を使った鞄の商品開発も始まりました。

 ナース鞄工の最近の大きな話題は、本社1階の ショールームです。いままで2階にありましたが、この4月に1階に移し、リニューアルオープンしました。1階にあるので、取引先の人だけではなく、一般の人も気軽に立ち寄ることができます。
 ショールームでは小売も行なっているほか、鞄の修理にも応じてくれます。特に修理はナース鞄工以外のメーカーの鞄でもこころよく応じてくれます。

 また、ショールームの他に工場の見学も受付けており、小学生から高校生まで時にはバスで見学に訪れることもあります。
 地域に密着した開かれた製造業―ナース鞄工に製造メーカーの新しい風を感じることができます。

  (*写真は営業の北林さんとデザイナーの中野さんです)
住所:足立区梅島3−12−20
電話:(3887)8377
URL  http://www.naas.co.jp

〜相手の気持ちになって、ていねいな仕事を〜
多喜(たき)佐々木商事株式会社
 設立は昭和40年。従業員8名のベルト製造メーカーで、紳士ベルトと婦人ベルトの生産の内訳は、6:4くらいです。
 主な取引先は問屋が中心で、その他にアパレルとの取引が少しあります。

 ブランド商品が主力になるため、デザインや素材などについての規格が厳しく、その要望に答えていく必要があります。
 そのためには、豊富な素材とその素材を上手に使い、どんな注文でもこなせる高い技術力と豊富な経験が必要です。

 多喜佐々木商事の仕事場を訪れると、実に多くの種類の革が所狭しとうず高く積まれ、またベルトのバックル類や革を抜く時の金型も数多くあります。(バックル類や金型も台東区で作られています。)

 そこには、他のメーカーでは取り扱っていないインポート物の革もたくさんあります。
 豊富な素材を上手に使い問屋が思いも付かない組み合わせを問屋に提案することで、多喜佐々木商事をアピールしています。また、ベルトの芯も合成ではなく牛底の芯を使う様にするなど常に本物指向のこだわりを捨てません。

 今後の課題は、メーカーですのでどうしてもデザイン力が不足していますので、その不足をどのように補いオリジナリティのある商品を作っていくかです。
住所:台東区浅草6−31−6
電話:(3874)4645〜6

〜創作帽子と手づくり帽子〜
有限会社野村商会
 設立は昭和53年設立。ご夫婦2人の小さな帽子製造メーカーです。他に区外に3名の下職さんがいます。
 帽子全般を扱っていますが、婦人帽が中心です。
 夫婦2人で帽子全般を扱うには限界があります。そこで登場するのは3人の下職さんたちです。
 50〜60代のベテランの職人さんたちが、野村商会を支えます。

 野村商会の得意な分野は帽子作りの基本でもある「ブレード縫い」です。(麦藁帽子の技術を応用し専用ミシンで縫います。高い技術と豊富な経験が必要です。)
 主な取引先は問屋です。バブル期はアパレル関連とも取引がありましたが、今は生産の拠点は中国に移ってしまいました。また、帽子のデザイナーから直接仕事を依頼されることもあります。

 問屋からはデザイン、色、素材が指定され、各メーカーともあまり技術的な差がない中で、他社との差別化には特徴が必要です。野村商会のオリジナリティは作りの良さ、クオリティの高さです。
 ユーザーが帽子を手に取ったとき、作りの良さや、手間がかかっている感じを伝えることが野村商会の帽子つくりのコンセプトです。

 以前帽子のデザイナーの注文で作った商品が通販でヒットしたことがありました。通販に掲載され、その商品がヒットすることは自社の商品がユーザーの評価を得たことになります。そうすると自ずと問屋の評価も高くなります。

 今後の課題としては、バイヤーを始めとした様々な人との出会いです。出会いから良い作品が生まれることは少なくありません。
住所:台東区三筋1−5−6
電話:3866−2398


〜使う人の身になって丁寧な物作りを心掛けています。〜
株式会社エスエムエル
 設立は平成10年、従業員は家族4名と職人さん2名の計6名です
 主な取引先は問屋ですが、デザイン部門を持つ企画問屋との取引が増えています。

 企画問屋からデザイン、素材、部材の指示が来ます。また細かい図面を書いてくる場合もあります。ロットが少なく、様々な鞄を正確に作るのがエスエムエルの特徴です。
 素材は皮革が中心ですが、様々な素材で鞄を作ることができます。例えばドイツから輸入されたリサイクルレザーですが、それを素材に鞄を作りました。また、桐箱に革を張ったアタッシュケースなど思いも寄らない素材を鞄に変身させる技術があります。

 以前は自社でデザインを起こしていましたが、今は企画問屋からの様々なアイデアを形にするため数多くのサンプル作成に追われる忙しい日々です。
 今までサンプル作成でそれから先になかなか進みませんでしたが、アルティベリー商品として通販誌に掲載されるなどしてようやくサンプルから本格的な生産へと歯車が回り始めました。

 エスエルエムには企画問屋から問合せが結構あります。これは人脈によるところもありますが、結局は取引先との信頼関係です。その信頼関係とは依頼のあったものを正確に作るというエスエムエルの技術への信頼です。

 「いろいろな素材で鞄を作れる」この技術は、同業種、異業種を問わない出会いを重視するエスエムエルの源泉となっています。
住所:足立区西新井本町2−7−10
ビアンドビル101
電話:3890−3900


〜熟練した職人が心を込めて作り上げた袋物〜
有限会社 橋本
 設立は平成元年、従業員は家族4名で下職は14社です。下職さんのほとんどが個人か夫婦2人です。
 取引先は全て問屋で、取扱商品はレディースが中心です。

 アルティベリープロジェクトで商品開発されたバッグは国内線の機内誌や通販誌で紹介され、全国から注文がきました。
 今回の商品が多くの人に支持されているのは、作りの良さとクオリティの高さ、そして機能性です。

 バッグは日々使うものです。ここに仕切りがあったら、ここに携帯電話入れがあったらと、使う側の発想で作られています。
 アルティベリーブランド商品以外については、デザインの多くは問屋から指定されますが、問屋によっては橋本のオリジナルデザインを採用するところもあります。

 サンプル作成費をメーカーで負担するところもあれば、問屋が負担するところもあるなど、取引先の問屋は様々ですが、最近はデザイナー企画室や小売店舗を持つ企画問屋との取引を重視しています。
 その意味で、橋本は展示会への出展を重視しています。橋本にとって展示会は新しい企画問屋や小売店、通販関係者との出会の場です。

 4月に開催されたMOD’S展でも終了後、通販会社2社からコンタクトがありました。先方がメンズを望んでいたため成約はしませんでしたが、これも展示会出展の効果と言えます。
住所:足立区綾瀬4−20−21
電話:3605−0848


〜職人による手作り商品〜
株式会社 猪瀬
 設立は昭和27年以後、鞄、バッグメーカーとして今日にいたる
 従業員は11名で外注先は14社ほどです。

 取扱商品は以前はメンズが中心でしたが、近年はレディースの手がけメンズ、レディース等々の生産を行なっています。
また、最近は社長が加入している異業種グループの会員からの依頼で、シザースケースや犬のハーネスなども作り、評判が良いとのことです。

 デザイン企画商品は本来取引先からの依頼により製品化しますが、中には商品イメージからデザイン、素材を提案し、サンプルを製作し得意先に提案も行ないます。
 3代目にあたる息子さんのネットワークでトレンドをつかみ商品提案も行ないます。
 猪瀬の技術の特徴は、工場生産は行なわず、外注先(職人)を使用し生産を行うことです。それにより小ロットで多様な商品を提供できることができます。

 また、今日はアパレル業界を初め異業種からの雑貨商品の中でのバッグの感心は強く、トレンドや若者を中心とした消費者心理を勉強する意味においても異業種との関係強化に感心を寄せています。

 樺鱒」はこれしかできないではなく消費者ニーズにあった製品作りを常に考えています。
住所:葛飾区堀切7−24−5
電話:3601−0738